LとR発音矯正装置の開発

日本人の英語学習にとっての悩みがいよいよ解消されるかもしれません。

出展:http://www.asahi.com/articles/ASK6H4SDMK6HPLBJ001.html

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日本人が苦手とされる英語の「L」と「R」の聞き分け能力を、装置を使って向上させる手法を開発したと15日、情報通信研究機構や大阪大などの研究チームが発表した。この装置を使ったトレーニングを5日間続けると、それまで苦手だった人もリスニング力がアップするという。  

研究チームは、海外での居住経験がない20~30代の日本人男女8人について、効果を調べる実験を行った。被験者は、頭部に脳波計を装着し、イヤホンから繰り返しランダムに流れる「light(光)」と「right(右)」の音を聞く。そして、目の前のモニター画面を眺める。  

モニター画面には、緑色の円が映し出される。被験者がLとRの違いを感じたときに脳の特定の部位で活動が高まり、それに連動して緑色の円も大きく表示される仕組みだ。しかし、被験者にはこの仕組みは伝えず、単に緑色の円を大きくするようにイメージをしてもらった。1日1時間の訓練を5日間続けたところ、平均で6割だった正答率が、5日後には9割近くまで上がった。  

脳の活動パターンを検出し、その情報を本人にフィードバックすることで、音の違いに対する脳活動が強化されたと考えられるという。本人は音を聞き分ける学習をしているつもりがなくても、無意識のうちにリスニング力が高まるのが特徴だ。今後、学習効果がどのくらいの期間続くのか調べたいという。  研究チームは「将来は日本人の苦手な様々な発音を効率よく学習できるシステムとして実用化したい」としている。

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日本人の英語学習にスピード感がないのは正しい発音を習得していないことが一因だと思います。英語の音を正しく聞き分けることができれば、意味がわからない単語に出会っても、少なくとも音を拾うことができます。音さえ拾えれば、その後、日常生活や映画・ドラマでその単語に何度も出会ううちに、文脈からその意味を習得することができます。つまり子供が言語を学ぶプロセスと同じです。自然な意味・使い方を習得することができます。

英語の音自体を拾えないと、新しい単語や表現を身につける機会が激減します。文字からしか認識できないからです。文字から学ぶため誤った発音を身につけてしまう可能性があります。そしてますます正しい発音習得への道が険しくなります。

そういった意味では、どこかで一度発音を真剣に学ぶことは、結果的に英語力向上への近道となるのかもしれません。

さて、こちらの記事の装置は、そんな日本人の英語学習に対する悩みへの解決策となるのでしょうか。多くの発音矯正の教材やスクールがありますが、結局は地道な練習なしでは発音を身につけることはできません。ネイティブだって子供の頃にフォニックスを使って徹底的に練習します。そういった意味では、装置を使ったとしても、地道な練習は必須でしょう。

また、記事では、LightとRightの聞き分けのみに触れていますが、以前のブログにも書いたとおり、同じLとRでも、単語のどこに位置するかによっても聞き分けの難易度が変わってくるかと思います。LとRの他にも、Aの聞き分け等、鬼門はたくさんあります。

これらの習得のために必要となる練習を、少しでも効率的に進めることができるのであれば、このような装置は、日本人の英語学習効率の向上に大きく寄与することになると思います。

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