映画で英語 vs. ドラマで英語
映画とドラマ。「ガチ」の英語教材の2強と言えるでしょう。では、どちらが英語教材として優れているのでしょうか。
これには絶対的な答えはないと思います。そもそも生の教材を使うことのメリットである「教材が楽しい」という点からは、映画が好きな人、ドラマが好きな人、人それぞれだからです。
それでは機能面からはどうでしょうか。私は英語学習の段階によると考えています。結論としては、モチベーション維持が重要となる学習の初期段階では映画の方が優れていると思います。
なぜでしょうか。映画とドラマを比較するときに、よく「映画は長すぎる」、「ドラマは一話が比較的短い」という理由から、短い方のドラマが初心者向け、という意見が聞かれます。私は少し違う見方をしています。
「ガチ」教材を使った英語学習の継続のコツはなんでしょうか。「楽しい」ということはもちろんなのですが、さらに「達成感」も大事だと考えています。「本物の英語が聞き取れるようになってきた」、「今までまったく知らなかった表現を使えるようになってきた」、こういったことの積み重ねがモチベーションを維持します。その積み重ねの先にある達成感、これがさらなる継続の原動力となります。それは「やりきった感」です。
この点、映画でいうと、映画一本丸々やりきることで、明確なやりきった感を感じることができます。ドラマではどうでしょうか。一話でしょうか。一話だと「やりきった」というにはちょっと違和感があると思います。そうすると、まとまりのある区切りは、1シーズンでしょうか。もっというと全シーズン終わらないと、真のやりきった感は感じられないかもしれません。つまり、ドラマで達成感を感じるまでの道のりは、実は映画よりも果てしなく長いのです。
それでも映画一本の90分や120分という時間は決して短くありません。ですので、実際に勉強計画を立てるときは、10-15分ずつくらいのチャプターに区切ると良いでしょう。そうするとだいたい10チャプターくらいに区切ることができます。これくらいの長さであれば、日々の勉強において苦痛と感じるような長さではないはずです。1週間、1チャプターを集中して取り組む。そして次の週は次のチャプターへ。そうすることで約2ヶ月で映画一本丸々やり切ることができます。この達成感が次にもつながります。
とはいえ、ドラマで英語が優れていないと言っているわけではありません。実際私は、映画で英語もドラマで英語も両方やっています。ドラマにも名作が数え切れないくらいあります。もし大好きで大好きでたまらないドラマがある場合は、もうそれだけでモチベーションは維持できますので、必ずしも達成感にこだわる必要はないでしょう。ただ、もし映画とドラマ、どちらがいいのだろう、と迷っている場合は、このように考えてみるのも良いかと思います。